本当に悩ましい地下水バイパスといわき漁業の復興のバランス

日経 14.11.12 いわき 遠い「大漁」 試験操業1年、残る出荷制限 安全性PRへ奮闘

…漁を自粛した福島県いわき市の漁業組合が昨年10月に試験操業を始めて1年余り。放射性物質の基準値を下回る魚種は増えているが、県漁連は約150の全魚種の安全性が確認されるまでは本格操業を再開しない方針だ…

今月9日、いわき市の小名浜港で、原発事故後初の地元漁協による「魚まつり」が開かれた…約1時間で完売…

「風評被害に苦しんでいると思うので、地元産を応援したい」…

「水揚げ量が少なく、とても商売になるレベルではない」…

「サブドレン」と呼ばれる井戸から、地下水をくみ上げ浄化後に海に流す…

「新たな風評被害を招きかねない」と反対意見が相次いだ…

震災1年後くらいの時期にいわきの漁港に行ったことがある。その時は本当に廃墟のようだった。それが束の間とはいえ、このように賑わっていることはとても喜ばしい。

日経記事より

福島第1原発近くの地下水は問題ないことを確認しつつ海に流すべきだと思う。そうしなければその分の水が原発に流れ込み、高濃度の汚染水となって海に流れ込むことになりかねないと思うから。

しかし、地元の漁師さんたちはこれに反対している。新たな風評被害を招きかねないとお考えだからだ。

この苦悩は過去の報道でも知っていたけれど、それでも流すほかないだろうと今でも考えている。万が一地下水が高濃度の汚染水になって海に流れ込むことになったら、より厳しい状況になり、本格操業はさらに遅れることになってしまうから。

さりとて漁師さんたちの気持ちもわかる。地下水を流すことにすると、風評被害が増えることは考えられても減ることは考えられないし、漁業者にとっての問題は何も解決しない。

ひとつの一時的な対処は「補償」という形の金なのだろうけれど、それだけで解決できる問題だろうか。生き甲斐とか張り合いとか、そういった人生に関わる問題も絡んでくるのではないだろうか。

本当に悩ましい。

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