1964年の東京五輪ポスターが語りかけてくるもの

日経14.02.27朝 世界を変えた広告十選2 クリエイティブ・ディレクター 杉山恒太郎 東京五輪(1964年)

戦後約20年、復興を果たしたこの国がさらに一流国の仲間入りをするためには経済力や武力では足りない、Attractiveness(魅力)の強いアピールが不可欠。つまりソフトパワーだ。

1964年の東京オリピンク開催は、まさに格好の檜舞台だった。デザイン界の粋が集められ、ここから真のジャパンプレゼンテーションが始まる。その象徴がこのポスターだった。

指揮をとるのはジャパンデザインの至宝・グラフィックデザイナー亀倉雄策…

細谷巖によれば「バックを黒色にしたのが素晴らしい。20台もの夜間ストロボ撮影を決行…

全員の顔が奇跡的に写っているのは、フライング状態にしてスタートダッシュにズレを作ったからだそう。写真を使ったポスターとしてはオリンピック史上初…

日経記事より

現在ならPhotoshopなどの優秀な画像編集ソフトがあるので、このような黒バックの写真(画像)を作ることは造作も無い。しかし、当時はどうか?

何と夜間にストロボを焚いて撮影したそうだ!何てクリエイティブな撮影だろう…そして、できるだけ全員の顔が写るようにスタートダッシュにズレを作ってその画を狙ったという演出。おまけに写真を使ったポスターとしてはオリンピック史上初だったそうだ。

日本のクリエーター達が既成概念を打ち破ったんだ!素晴らしいというほかない。

過去の東京五輪では非常口などを表す「ピクトグラム」も発明された。

ピクトグラム - Wikipedia

それは日本語が分からない外国人に対して、非言語的な表現でもって何かを伝えようとする「おもてなし」の心からできたものだと思う。

しかし、なぜ当時の日本人はここまでの力を発揮できたのか?彼らが単に優秀だったということだけなのか?

きっとそれは意識の根底に、「戦後約20年、復興を果たしたこの国がさらに一流国の仲間入りをするためには経済力や武力では足りない、Attractiveness(魅力)の強いアピールが不可欠。つまりソフトパワーだ。」という明確な目的意識があったからではないだろうか。

次の東京五輪の目的は何か?開催が決まった今、改めて日本人全体がその目的を見つめ直し、考える時なのかもしれない。

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