精神疾患患者の医療保護入院は「誰の同意が必要か?」ではなく「強制的に入院させるにはどうしたらよいか?」が問題なんだよ

日経13.04.19夕 精神疾患の医療保護入院 家族らの同意で可能 改正法案閣議決定


入院治療が必要なのに精神疾患の患者本人の同意が得られない場合、家族らの同意で「医療保護入院」を可能にする…
来年4月に施行することを目指す。現行の医療保護入院制度は、妄想や幻聴などがあって病気の自覚がなく、入院に応じない患者を精神保健指定医が診察したうえで、後見人や家族などから「保護者」と定められた人の同意を得て入院させる仕組み。保護者に定められるのは1人だけ…
改正案は、保護者に関する規定を廃止。患者の配偶者や親権者、後見人、扶養義務のある親族のうち、いずれかの人の同意があれば入院できる…

進歩だとは思う。しかし、あまり本質的な話では無いと思う。

自分は家族を、いわゆる「精神病院送り」にした経験がある。その経験から言うと、これは本質ではなく、一番の問題は「患者を病院に搬送する仕組み」だと思う。

精神疾患患者は本人がそうでないと思うから精神疾患患者なのであり、そうでなければ入院させる必要は無いと思う。

しかし入院させるとなると、本人に自覚が無いわけだから、当然強制になる。問題はその方法だ。

強制なわけだから、本人は当然抵抗する。実際抵抗された。搬送途中に他人に助けを求めて警察に通報され警察に迷惑をかけた。これは想定よりもマシな方だったけれど。

このように、家族だけでは手に負えない、もしくは不安な場合がほとんどだろう。

しかし、「人権」ということがあるためか、病院は手を貸してくれないし、警察も、自治体もそうだ。こんな時、誰に頼ればいい?

「誰の同意が必要か?」ではなく、「強制的に入院させるにはどうしたらよいか?」の方が重要なんだ。つまり、強制的に入院させる手段の制度化が必要なんだ。でも、今はそれが無い。

そこで仕方なく頼ったのは民間の会社だ。

厚木なら、まず実際にお世話になった「共和サービス警備保障株式会社」。精神疾患患者の搬送の経験が豊富にある。気のいいおじさまたちで、信用できる。10万+消費税という価格も良心的。

次の候補は「ふたばらいふ」。精神疾患患者の搬送の経験は少ないし、人出もあまりないようだけれど、直接話を聞いていただいた責任者の森氏は信用できる人物だと思う。価格もすごく安かった。

確かに、患者が何をするか分からず、リスクのある仕事だとは思うので、価格がまちまちなのは仕方ない。しかし、コンタクトをとった業者の中には「ぼったくり」と思える業者もあった。

こういった現状を打開するには、国として何らかの制度設計が必要だと思う。

精神疾患は特別なことではない。誰にでもあり得ることだ。あなたにも、自分にも。精神疾患患者とそうでない人は、本当に紙一重だ。

だから、いざという時のために、こういった制度を考えておくことは、決して他人事ではない。

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