フル尺で見ちゃったクックのキーノート。全体的な印象は「iOSはブラックホールになる」。

この3連休中には見なきゃイカンだろ?と思ってた現Apple CEOティム・クックのキーノート、やっとフル尺で見た。

Apple - Apple Events - Apple Special Event October 2011

やはり、全体的にはあまり驚きは無かった。ただ、後半の「Siri」の対応言語圏かどうかでプレゼンの印象は大分変わったのではないかと思う。「Siri」はいわゆるジョブズお得意の「one more thing」だったわけだけど、今回はジョブズじゃなくフィル氏だった。「left one thing out」と切り出していた。

クック氏の話の中で驚いたのは上海のAppleStoreだ。アジア最大のAppleStoreだそうだけど、確かに、銀座だってこんなに人は入らないだろう。


全体的な印象としては「iOSはブラックホールになる」という感覚だ。それはつまり、これまで必要だった様々なものが吸収合併されて必要なくなるということ。

例えばTwitterのOSレベルでの統合。カメラから直接Twitterにポストできるなら、多くの場合でTwitterクライアントアプリが要らなくなるだろう。写真アプリで赤目補正やクロップができるなら、多くの場合で写真編集アプリが要らなくなるだろう。


カメラアプリとiCloudの連携でiPhoneで撮った写真がほぼリアルタイムでPC上でも見られるようになるなら、EyeFiも要らなくなるだろう。こんなに高性能なカメラを備えているのなら、コンデジも要らなくなるだろう。


iOSがどんどん便利になっていくと、世界中のソフトウェアやハードウェア、ひいては多くの人の雇用もどんどん失われていくのでは?と感じた。Appleのブラックホールにソフトウェアやハードウェアや雇用が吸い込まれ、最後には全てなくなってしまうのでは?と。

Appleのこういった戦略に対抗していくには、Appleがやりそうにないことをやるしかない。それが難しいわけだけど。

クック氏は初めと終りに登壇しただけで、メインは他の人に譲った。自分はジョブズではないということをわきまえ、社員の総力でAppleを発展させていこうということだろうと思った。クック氏はきっとうまくマネージメントしていくだろう。

しかし、世界NO1の企業のCEOとしては単にうまくマネージメントするだけでは足りない。ジョブズはテクノロジーによって「人類の幸福」を実現しようとした。そして後継たるクック氏は、この「人類の幸福」という大命題に対して、Appleの力をどう料理していくのか。

つまり、クック氏なりの哲学。そういうことが問われてくるのではないだろうか。

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