竹島問題に対する日経のこういう態度を「事なかれ主義」と呼ぶ | 社説 複眼的に捉えたい竹島問題 - 日経

日経11.08.02朝
どちらも、もう少し冷静になれないものだろうか。自民党の3人の国会議員が韓国の鬱陵島(ウルルンド)を視察するために訪韓し、韓国側がソウルの金浦空港で入国を拒否した問題だ。・・・視察も韓国による竹島の実効支配の実情を調べるため・・・韓国政府は「身辺の安全確保が難しい」「日韓関係に否定的な影響を及ぼす」と警告・・・合法的に訪問しようとした日本の議員の入国を拒否した韓国政府の対応は、はなはだ遺憾だ・・・あえて日韓関係に波風を立て、反日・反感感情をあおるような行為は、政治家として責任ある態度とはいえない・・・対立をあおるだけでは問題の解決につながらない。日韓は主要な貿易相手国・・・安全保障上の脅威に対処する上でも、日韓や日米間の協調は欠かせない・・・

ズバリ、「逃げたな」というのが率直な感想だ。喧嘩両成敗というわけだ。残念ながら、これでは何も主張していないに等しい。

この件に関して自民党の国会議員の行動は正しかったのか、韓国政府の対応は正しかったのか、という議論は多くある。

自分が書いておきたいのは、昔から日本の各所にある、この日経のような態度のことだ。こういう態度を「事なかれ主義」と呼ぶ。

日経は「韓国は主要な貿易相手国だし、中国に対抗していく上でも重要なパートナーなんだから協調していこうぜ」という。それはその通りだ。しかし、竹島問題は別の話だ。

韓国側も日本側が考えると同様に日本のことを重要なパートナーと考えているかどうか分からないけれど、まぁそうだったとしよう。そうだったとして、あの韓国の騒ぎぶりは一体何なのか?それとこれとは別の話ということではないだろうか?

日本は領土問題に対していつも事なかれ主義だ。何だかんだと理由をつけ、領土問題の解決を先送りにしてきた。おかげで多くの日本人は、どこからどこまでが日本の領土なのかも正確に知らない。

韓国に竹島の実効支配を許しているというのも、日本が事なかれ主義を続けてきた結果だろう。そして今、日経はまた日本が同じ過ちを繰り返しかねない方向で社説を書いている。

「今は波風立てないようにしよう」と大人ぶって冷静を装い、実は腰抜けで問題から逃げ続けてるだけか、もしくは経済優先で領土問題は二の次と考えているのか。

竹島問題でまずハッキリさせておかなければならないのは「日本は竹島を戦争してでも守るべき自国の領土と考えているか?」ということだ。

もしYESなら、もういい加減に事なかれ主義はやめにすべきだ。この場合、最終的には戦争となるだろう。そうなれば当然、お互いにタダでは済まない。

もしNOなら、竹島は韓国の領土とスッパリ認めることだ。ただし、事あるごとに「竹島譲ったろう?」と外交カードにできるようにする。例えば、竹島近海の資源開発時などに。その方が膠着状態を続けるより経済を含めてお互いの国益にかなうかもしれない。

さて、日本はどっちを選ぶべきだろう?

自分の答えはNO。より具体的には「戦争する覚悟を持って交渉にあたり、最終的には竹島を韓国領と認めつつも日本に有利な権益を確保する」。

第一に、竹島はすでに実効支配されてしまっているので日本の領土として取り戻すのは実際もう手遅れではないかと思っているから。

第二に、この状況で無理に取り戻すなら最終的には戦争しかないだろうけど、正直、竹島で戦争したいとは思わないから。しかし、日本領であるという歴史的根拠があり、韓国の主張を100%受け入れる必要もない。

そこで第三に、あんな遠くて小さい島のために戦争して日本人が住めるように取り戻すより、権益を確保したほうが日韓双方にとって得だと思うから。

しかし、もし韓国に実効支配されていなかったならばこういう選択をする必要もなかっただろう。日本が実行支配さえしていれば、ただ領土として守るだけだった。韓国は明らかな侵略者となっていたはずだ。竹島のような微妙な位置にある小さな領土だからこそ、実効支配される前に手を打たなければならなかった。過去の日本に様々な事情があったとしても、国家戦略としてのミスであることに変わりはない。

今後のこともある。とにかく、今からでもそのミスの大きな原因である事なかれ主義はすぐに捨てなければならない。当面、日本が事なかれ主義を捨て、目に見えるカタチの実効支配を進めるべきは尖閣諸島だろう。二度と同じ過ちを繰り返してはいけない。

コメント

  1. 私も戦う覚悟で竹島を守る(もはや「取り戻す」ですが)べきと思います。ただし、それは最終手段であり、最悪のシナリオです。それを避けるために交渉を行なうのが外交だと思います。

    外務省による外交、議員外交など、意見を交換しあう動きが活発になればと思います。

    自民党議員3名が鬱陵島を訪れようとしたことが拒否されたのは大変残念で、韓国には法的根拠を求めます。法的根拠がないならば、それは法治国家ではなく、民主主義国家でないとも言えると思います。

    さらに、私は竹島を韓国領土として認めることには反対です。竹島の次は対馬が、そのような目に合ってしまうのではと思います。

    返信削除
  2. もちろん、私も竹島を韓国領土と認めたくありません。竹島とくれば対馬。対馬ときたら壱岐島となりかねません。さらには地理的に遠い尖閣諸島にも影響しかねません。

    おっしゃるように、まずは当然外交でしょう。事なかれ主義でこの外交ですらしっかり行われて来たか疑問ですし。ですが、恐らく話し合いではもはや解決不能と思います。韓国は竹島を実行支配しているからです。

    次は国際司法裁判所でしょう。日本に分があるので韓国は嫌がるでしょうが、事なかれ主義を捨てて韓国が出てくるように最大限努力する必要があると思います。ですが、恐らく韓国は意地でも出てこないと思います。わざわざ負けに行くようなものだからです。

    これらのオプションが全てダメだったという最悪の場合、どこまで妥協できるか。それが竹島を韓国領と認めるかわりに有利な権益を確保するというラインかなと思ったのです。

    日本の場合は妥協も何も、怖がって議論のテーブルにすらついていないのでは?と思うので、まずはそこから。

    つまり、「脱・事なかれ主義」です。これが竹島問題解決の第一歩だと思います。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

レオナルド・ダ・ビンチはなぜノートを「鏡文字」で書いたのか?

macでsmb(samba)共有サーバーに別名で接続(別アカウント名で接続)する方法

Google DriveにCURLでアップロードするには?