「不況の時こそ起業」か・・・アメリカンスピリットは素晴らしいね | 目指せヒーロー 米若者に起業熱 「フェースブック」創業者映画化で火 - 日経

日経10.10.24朝
・・・ヒーローとは、ザッカーバーグ氏や米ネット検索最大手グーグルの共同創業者ら・・・米国人の関心が「金融」から「起業」に移っている・・・「不況の時こそ起業」。米国人が前向き思考を維持できるのも、挑戦や成功をたたえ、社会貢献を善とするする風土が変わっていないからだろう。(ニューヨーク=清水石珠美)

うーん。さすがアメリカ。日本人だって「社会貢献を善」とするマインドは持っている。しかし、「挑戦や成功をたたえ」るマインドは持っているか?

「成功」に関しては「出る杭は打たれる」という言葉もあるように、たたえるどころか足を引っ張るマインドがないとは言えない。

特に「挑戦」をたたえるマインドは弱いと思う。挑戦は失敗がつきものだ。しかし、日本では「一度失敗すると終り」という考え方が強く、安全や安定を重視し、挑戦することは割に合わないという風潮があると思う。「挑戦してもいいけど、失敗するなよ。もし失敗するときは完全に自己責任でね。」というプレッシャーというか、応援されてない感を感じるのだ。だから挑戦することが怖くなる。だから挑戦しなくなる。

先日野口宇宙飛行士が触れていた映画「ライトスタッフ」を見ても、アメリカの宇宙開発だって当然、はじめから上手くいっていたわけではないことがわかる。失敗に失敗に失敗を重ねて、ようやく今の技術力があるのだ。忘れちゃいけないのは、その背景にはアメリカという国家とその国民の応援があったということだ。

一方、日本には「失敗は成功のもと」という言葉もある。これに異を唱える日本人は少ないだろう。しかし問題は、これが個人的な出来事には適用されても、就職や起業などの社会的な出来事には必ずしも適用されないことだ。アメリカでは事業資金を得るのに「何回失敗した?」と聞かれるらしい。まさに「失敗は成功のもと」だからだろう。

ただ、聞けばこういったマインドを持つのは日本人だけではないらしい。しかし、アメリカは違う。だから世界で唯一月にも行けたし、Microsoftができ、Appleができ、Googleができ、Facebookができ、Twitterができ・・・と脈々とその伝統が受け継がれているのだろう。

そして極めつけは「不況の時こそ起業」という考え方だ。「誰も雇ってくれないなら自分で自分を雇えばよい」というこのたくましい考え方。日本人はどうだろう。すぐに政治に助けを求めていないだろうか。

アメリカンスピリットというのだろうか?こういった様々なプラスなマインドを持つ伝統が脈々と受け継がれてきた結果、今のアメリカの国力があるのだろう。これらは日本人も是非見習うべき資質だと思う。


さっき、ちょうどTech Crunch Japanで似たような記事があった。

Vivek Wadhwa氏のこの記事に対して、
日本へ:経済を立て直すには失敗した起業家を尊重せよ - Tech Crunch Japan

磯崎哲也氏が反論している。
[jp]日本は本当に「起業家に冷たい国」なのか? - Tech Crunch Japan

・・・日本はとにかく起業家の数が少ない。しかしそれは「日本が失敗した起業家を尊敬しないから」ではなく、「まさか自分が起業できるなんてありえない」「日本では事業で失敗したら個人破産するしかない」と思い込んでいるからだ。「知識」がないのだ。・・・

確かに、知識がないのかもしれない。ただそう思い込む背景には、方法やテクニックを知らないことだけでなく、やっぱり「応援されていない・されない感」が根本にあるからだと思うのだけれど。何かこう、あったかいものが足りないのだと思う。

それでも、やる人はやるけどね。

コメント

  1. ちょうどダイヤモンド・オンラインに「就職できない大学生が3割“大留年時代”到来の悪夢(上)」という記事が掲載されていました。
    http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101025-00000002-diamond-bus_all

    就職できないために大学にやむなく留年する4年生が増えているそうです。

    就職以外にも選択肢がある、という社会的な雰囲気が出来れば、日本の底力はもっと上がると思うのですが。

    返信削除
  2. 企業が新卒しか採らないので、新卒でなくなるとそれだけで不利になるからでしょうね。

    現実問題として、やっぱり多くの人は「大学出れば就職」と考えるでしょうから、就職の段階で社会から拒否されると本当に辛いと思います。

    せめて新卒であるかどうかや年齢に関わらず、スキルセットで人を選ぶような社会になったらどうなのかと思いますが、一番いいのは「大学出れば就職」以外の選択肢もある社会だろうと思います。

    日本でも「起業」はそのひとつとなりうるでしょうか。

    返信削除

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