日本政府の「IT30施策」は社会インフラばかりなのか? | IT30施策、工程表決定 - 日経

日経10.06.23朝
・・・政府のIT・・・戦略本部は22日、2020年までに実施する30のIT戦略の・・・工程表を決定・・・事故や渋滞を防ぐ高度道路交通システム・・・国民ID制度・・・
ここ数日、この関連の記事がいくつかあったのだけど、どうも違和感を感じていた。何と言うか、社会インフラ整備関連のことばかりのような印象を受けるからだ。

確かに政府が立てる戦略なのだから、そういう方向になるのは当然とは思う。しかし、例えばTech Crunchなどで話題になるのは、主にはソーシャルネットワークサービスを代表とする「新サービス」なのであって社会インフラではない。スマートグリッドの話は聞くけど。

ただ、新聞ではこういった観点の記事になっているだけかもしれない。そこで、IT戦略本部が出している資料をみてみることにした。

新たな情報通信技術戦略 工程表(案) - (PDF) 首相官邸
・・・具体的取組名一覧・・・1.国民本位の電子行政の実現・・・2.地域の絆の再生・・・
3.新市場の創出と国際展開
i)デジタルコンテンツ市場の飛躍的拡大
ii)空間位置情報サービスその他の電子情報を活用した新市場の創出
iii)高度情報通信技術人材等の育成
・・・

大きな柱は3つで、「1.国民本位の電子行政の実現」「2.地域の絆の再生」「3.新市場の創出と国際展開」。

特に「3.新市場の創出と国際展開」の中には、Tech Crunchでも話題になるような「デジタルコンテンツ」市場の飛躍的拡大や「空間位置情報サービス」による新市場の創出も盛り込まれている。

そこで、これらを特に詳しく見てみる。


「デジタルコンテンツ市場の飛躍的拡大」(p51)

「デジタルコンテンツ市場の飛躍的拡大」を見ると、まぁなんでもやりますという感じで広い感じ。もう少し集中して「これだ!」というのをハッキリと示してもらわないと、戦略になっているのかどうかわからないなぁという印象。

項目として盛り込まれている「人材育成」という項目は重要だと思うけど、ここは面白いサービスを作る可能性が高い「ベンチャー育成・支援」として頂きたかったなぁ。つまり、財政支援(^^);

「日本人、外国人問わず、面白いサービスを作ろうとしているベンチャーがあれば、日本政府がエンジェルとなりますよ。成功するかどうかは問いません。」とすれば、この「人材育成」の目的である「製作・発表機会の創出、海外人材が集まる場の創出及びクリエーターの裾野の拡大 により、海外からも優秀な人材が集まる魅力的な「本場」を形成」することができると思うのだけど。


「空間位置情報サービス」(p53)

「空間位置情報サービス」については、「新サービス実現に必要な空間位置情報コードの発行・管理システムの構築」をするようだ。ここで「空間」は、2次元の位置情報だけでなく、高度も考慮した3次元を意味するらしい。このシステムの構築は位置情報関連のサービスを構築する上で、本当に役に立つと思う。


全体の中で一つおもしろいのは、「政府のCIO」を作ろうとしているところ。本来はそういった役割の大臣がやるべきだと思うけど、呼び名は何でもいいか。

というわけで、必ずしも社会インフラばかりに注力しようとしているわけではなさそうだ。ただ重点はやはり、電子政府のさらなる高度化や、社会インフラ的なものにあるようには見える。

どうやら、大手IT企業に対する公共事業的な意味合いがあるのかもしれないなぁと思った。

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