孫社長が号泣したとおっしゃっていたJobs氏のスピーチで泣けない自分を考える

昨日のソフトバンクの発表会で孫社長がスティーブ・ジョブズ氏のスピーチに号泣したとおっしゃっていた。孫さんによれば、坂本龍一氏も涙を流したそうだ。
琴線探査: 孫社長は本当にTwitterに心酔なさっているようだ : ソフトバンク発表会中継

自分はまったく知らなかったのだけど、非常に気になった。確かにJobs氏のスピーチの内容も気になったけど、それ以上に「はたして自分も泣けるのか?」ということが。

調べてみると、どうやらこのビデオがそれらしい。確かめてみようじゃないか。






「点と点をつなぐ」 00:40


02:12
6ヶ月後、私はそこに価値を見出せなくなっていました。私は、自分が人生において何をしたいのか、それを見つけるために大学が何の役に立つのか、全くわかりませんでした。

自分も同じだった。ある時点までは大学に夢中だった。学習というより、あれは仕事だった。学生の分際で、実際に学校から給料をもらってもいた。しかしある時点から、まったく大学にいる意味がわからなくなった。


02:38
ドロップアウトしたそのときから、私は興味の持てない必修科目をやめて、それよりはるかに面白そうな科目に出ることができたからです。

自分もよっぽどそうしたかった。なんで単位のためだけにこんな興味のない授業を受けなければならないのか?と。しかし、自分と彼の違いはここだ。彼は捨てた。自分は親を思うと、捨て切れなかった。


03:08
そんなふうに自分の興味と直感に従って動き回っているうちに出会ったものの多くが、後からみればこの上なく価値のあるものだったのです。

「好きこそ物の上手なれ」ということわざもある。Jobs氏は強い信念をもってそれを重ねたのだろう。


04:52
先を読んで点と点をつなぐことはできません。後からふり返って初めてできるわけです。従ってあなた方は、点と点が将来どこかでつながると信じなければなりません。

ウジウジ先を考えるな!と。直感を信じて突き進め!ということだなぁ。


05:08
点がやがてつながると信じることで、たとえそれが皆が通る道からはずれても、自分の心に従う自信が生まれます。これが大きなちがいをもたらしてくれるのです。

その通りだと思う。

自分にとって、あの「捨てきれなかった」という経験は本当に許せないことだった。それ以来、これからの自分の人生においては、誰が何と言おうと、どんなにリスクがあろうと、自分の興味がわかないものや直感がNOというものは、仕事であれなんであれ、やらないことに決めた。

ここで思い出す曲はTNTの「Intuition」だ。
琴線探査: いっときたいなら、いっとけばいいのだ。これでいいのだ。 TNT「Intuition」

やっぱり、これでいいのだ。ただ、こんなことを言っていられるのも、全ては妻のおかげだということが身に染みる。



「愛」と「敗北」 05:24


06:46
私はまだ自分の仕事を愛していました。アップルでのできごとがあっても、それはいささかも変わらなかったのです。


08:00
時として人生には、レンガで頭を殴られるようなひどいことも起きます。しかし、信念を投げ出してはいけません。私が続けられた理由はただ一つ、自分のやっている仕事が好きだったということです。


08:12
真に満足するために必要なのはただ一つ、皆さんが素晴らしいと信じる仕事に取り組むことです。


08:36
ですから、探し続けてください。一つの場所に固まっていてはいけません。(Keep looking, Don't settle.)



死について 08:50


09:12
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを私は本当にやりたいだろうか?」と。その答えが「ノー」である日が続くと、そろそろ何かを変える必要があるとわかります。

なるほど。この自分への問いかけが自分の直感をためす良いツールとなるわけか。


09:46
自分も死に向かっているという自覚は、私の知る限り、何かを失ってしまうかもしれないという思考の落とし穴を避けるための最善の策です。あなた方はすでに丸裸です。自分の心に従わない理由はありません。


11:52
死はおそらく、生物にとって最高の発明です。それは生命にとって古いものを取り除き、新しいもののための道を開いてくれる変革の担い手です。


12:16
あなた方の時間は限られています。他の誰かの人生を生きて無駄にしてはいけません。

「誰かの人生を生きてはいけない」これからもそうしたくないし、自分のために誰かをそうしたくない。


12:27
他人の意見の雑音によって自分の内なる声が掻き消されてしまわないようにしてください。そして最も重要なことですが、あなたの心や直感に従う勇気を持ってください。心や直感は、あなたが本当は何になりたいのかすでに知っています。他のことは全て二の次です。(Everything else, is secondary.)

「あなたの心や直感に従う勇気を持ってください」これが今回のスピーチの全編において共通するテーマだと思う。


13:54
「ハングリーであれ。愚か者であれ」(Stay hungry, Stay foolish)

アントニオ猪木氏も同じようなことをおっしゃっていたなぁ「馬鹿になれ とことん馬鹿になれ 恥をかけ とことん恥をかけ かいてかいて恥かいて 裸になったら 見えてくる 本当の自分が 見えてくる」と。

「裸になったら」というところと、Jobs氏が上でおっしゃっている「あなた方はすでに丸裸です」というところが、さらに共通点を強調する。



結局、泣けなかった。もちろん素晴らしいスピーチだと思うし、今後の自分の大きな糧となる言葉がたくさんあった。しかし、孫社長や坂本龍一氏はどこで、どう泣いたのだろう・・・

なぜ自分が泣けなかったのかを考えると、たぶん、Jobs氏のおっしゃっていることはすでに自分の一部だったからだと思う。非常に共感するとともに、よりハッキリしたという感じだ。

「アップル信者」という言葉がある。自分は確かにMacも使うし、iPhoneも使っているけど、自分が「アップル信者」だという意識はない。ただ、やはりアップルの製品に惹かれる自分を不思議には思っていた。

デザインがカッコよくて洗練されていて美しいからだろうか。性能が高いからだろうか。確かにそれもあるだろう。しかしそれにもまして今回のスピーチを見てハッキリしたことは、製品デザインの根本に「あなたの心や直感に従う勇気を持ってください」というメッセージが隠されているからなのだということだ。アップルの製品を使うということは、ある意味でそのお守りやアイコンなのだと思う。

と、いうことは、自分は「アップル信者」なのか(^^);

自分にとってこのスピーチは、感動の対象というより、勇気を与えてくれるものであり、希望だ。

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