色彩は語る③ 黄色の輝き

日経10.02.21朝
・・・黄色といえばゴッホ・・・画家で女子美術大学学長の佐野ぬいさんは「黄色は光の色」だという。ゲーテにとっても黄は光から生まれる色彩だった。・・・「最も純粋な黄色は必ず明るさを具えていて、明朗快活で、心地よい魅惑的な特性を有している」(「色彩論」、高橋義人ほか訳、工作舎刊)。ゲーテは黄色を愛と希望をもたらす色彩だとも言っている。・・・「ヴィンセントに何よりも必要だったのは、実は自分自身が救済されることだったのではないか」・・・自分を救うことは他人の救済と同じことだったのではないかと池田は考える。・・・日本画家で東京芸大大学院文化財保存学教授の宮廻正明氏は「黄色は初々しい生命力を意味する」一方で「死の予兆」だとも語る。・・・ゴッホが浮世絵に心酔し、日本にあこがれたという話は有名だ。彼は陰影を施さない浮世絵の色彩に光を見ている。・・・「麦刈る人」という絵・・・絵を描きながら、麦を刈る人にゴッホが見たものは「人類は刈り取られる小麦かもしれぬという意味での死のイメージ」だったという。・・・黄色の輝き、生命感に救いを求めたゴッホは、ここでは死にとらわれ始めている。・・・「美の巨人たち」テレビ東京系列ほかで、毎週土曜日に放映中

黄色が光の色で、幸運や愛や希望の色だというイメージはあった。日本では「幸せの黄色いハンカチ」という映画があるくらいだ。

しかし、黄色が「死の予兆」の色でもあるというイメージは全くなかった。

「麦刈る人」という絵がどういう絵なのか見つからなかったが、確かに記事に載っていたポール・ゴーガン「黄色いキリスト」ではキリストの肌がまっ黄色なのだ。

異様だ。その異様さが死を予感させるのだろうか。

ゴッホは、精神病院に入ったり、最後は銃で自殺するなど、生涯何かの救いを求めてもがいていた人のようだ。記事でも指摘されているように、救いを求めていたからこそ黄色という色をメインカラーに選んだのかもしれない。

光を表現するには闇。闇を表現するには光。つまり逆張りすることで最も重要な事が強調されるということなのだろう。

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