無趣味のすすめ 村上龍

日経09.03.28朝

”安易なビジネスや人生のコツは無意味だ。”
小手先で生きるな!というお叱りだろう。

”真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危機感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。つまり、それらは私たちの「仕事」の中にしかない。”
仕事が趣味とか趣味が仕事になった、ということがいかに幸せな事か。しかし正負の法則で、好きな事を仕事とすると大体稼げない場合が多い。それでも何とか稼げるようになるためには、努力という犠牲を払うしかないだろう。彼が言うようにコスト、リスク、危機感、失意、絶望、全てが今の自分の中に実感としてあると思う。ということは、いつかは最高に幸せになる瞬間があるという事だ。そこまで継続できるか、それが問題だ。

”「少数派という原則」多数派への誘惑を断固として拒絶する事、それがヴェンチャーの原則である。”
自分もこの原則に従う事が多いが、たまになぜそこまで?と思う事がある。でも今気づいた。少数派である事は、内容は何であれ、それだけで希少価値が出るからではないだろうか。

”「集中と緊張とリラックス」集中と緊張は全く別のものだ。緊張している時には何かに集中できない。”
昨日のフィギュアスケートの浅田真央ちゃんを見てこれを強く感じた。彼女は自分を追い込みすぎて緊張してしまったのではないだろうか。自分に厳しい事は素晴らしい事だが、厳しくなりすぎて緊張してはダメだ。結果を出すためには、少なくともベストを出し切るためには、集中、無心、没頭するしかない。しかし頭で分かっていても、実際は非常に難しい。勝負とは、なんと厳しいものか。

”「『交渉術』という能天気な言葉」徹底的に相手の立場に立って考える事、交渉はその地点からしかスタートできない。”
小手先は必要なく、誠意が必要ということなのだろう。ゆえに交渉とは、始めから妥協ありきである、ということなのだろう。

”「決断する力」もっともやっかいで、もっともむずかしく、もっとも面倒な選択肢が正解という事だ。”
正解を取る事は非常にキビシイ。なかなかできるもんじゃない。しかし今後何か決断に迫られた時、何が正解かはこの法則で判断できる訳だから、その上で状況を見て、正解を取るか、あえて不正解を取るかを考えよう。

”「企画の立て方」アイデアは「組み合わせ」であって、発見などではない。”
これは多くの人が言っているし、彼も言っているという事で、さらに確信を得た。本当の発見だけがアイディアだとしたら、恐らくほとんど出尽くしている。アイディアを作る事は組み合わせの妙をどこまで出せるか、ということであり、つまり企画力とは、編集力の事かもしれない。

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